私たちは医療、介護に地域差があってはならないと考えます。開院当初から、この地方都市に暮していても、都会と同様の高度な医療を受けていただけるよう、努力を重ねてきました。地域の方々に「この地に住んでよかった」と感じていただけるような医療、介護の環境を作るために、さらなる努力を重ねてまいります。
昭和37(1962)年に22床の北出外科病院として発足して以来、地域の要望と医学の進歩に応じて、施設の設備拡充と自らの技術の研鑽に励んでまいりました。病院の形態もはじめの個人経営から昭和47(1972)年5月に医療法人を設立し、昭和62(1987)年3月に特定医療法人の承認を受け、平成17(2005)年8月には特別医療法人の承認も受け、平成21(2009)年7月に公的病院とほぼ同等の社会医療法人が認可されました。
そして、平成24(2012)年12月に創立50周年を迎えるにあたり、また昭和48(1973)年以前に建築された病棟の耐震基準の指摘もあったことから、増改築工事を行いました。平成24(2012)年に着工し、平成26(2014)年8月に竣工いたしました。患者様の安心・安全を考え、人命に関わる病室等は3階以上とし、他にも患者様の満足度向上に努めています。近年は患者様満足だけでなく、職員の意見も大いに汲み上げ経営に反映するなど、明るい職場形成にも努めています。
疾病の予防については、早くから一次予防としてメディカル&フィットネスアクオにおいてプール、ジム、スタジオをつくり運用しています。最近は予防の意識が高まってきたこともあり、自発的に運動する方々も増加しています。健診センター・キタデでは、御坊・日高二次医療圏内の住民健診や企業の定期検診などを行っています。これから地域包括ケアが整うにつれ、三次予防として高齢者の転倒予防のための気功をより一層強化していきます。
近年、チーム医療により入院期間を短くし、住み慣れた自宅で暮らす在宅医療が推進される中で、当院でも訪問看護の役割が急激に増加してきました。訪問看護ステーション・キタデでは、和歌山県で第1号となる機能強化型訪問看護管理療養費Ⅰを取得しています。同時に介護老人保健施設和佐の里では、在宅復帰・在宅療養強化型介護老人保健施設の認定を受け、リハビリや代替療法を積極的に行っています。
私たちは、地域の医療機関と連携を密にし、自院の各分野での質の向上に努め、いつまでも地域に「愛され」、地域を「愛し」、地域の方々の健康のパートナーでありたいと思っています。